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2017.02.28

不動産業務

横浜市都筑区の大型マンション傾斜問題

 杭が固い地盤まで届いていない打込不足や検査データなどの改ざんも発覚した今回の問題の原因は何処にあるのでしょうか。
 地盤沈下したパークシティLaLa横浜やららぽーと横浜、パナソニック工場などが立地する一帯の地名は「池辺町」です。
 地名で表すとおり地歴を辿ればかつては軟弱な湿田が広がる鶴見川の後背湿地であり、水はけが悪く地盤が軟弱で洪水や地震にも弱い土地であることから、そもそも高層のマンション適地ではないことになります。
 つまり杭の問題以前にもともとの地盤が軟弱であり、高層マンションを建てれば地盤沈下によっていずれ傾いてしまうリスクが高い土地であったのです。
 今回の件では偽装杭打ち問題について多く報道されていますが、マンション用地の立地選定において今後の地震も想定されるなか、長期的な視点で建物の安全面を考慮する必要性を感じます。
 いずれにしても地震国日本では地質調査や杭打ちという基礎工事は極めて重要であります。
 因みに弊社作成によるPML診断の分析結果によれば、横浜市都筑区の当該所在地での地震による建物被害の危険度について、「大破の可能性が高い」と判定しており、マンション開発は潜在的にリスクが高いとの結果が出ております。

G-SpaceⅡ 地震PML診断レポート