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2021.11.02

不動産業務

アジアの住宅価格

図1:アジア住宅価格

(図1について)
2009=100としている。
出典:Data.gov.sg(Government of Singapore), The Government of the Hong Kong Special Administrative Region, Ministry of the Interior(台北), 国土交通省、
(公社)東京都不動産鑑定士協会によるデータを弊社にて編集しました。
本資料は作成時点で、弊社が信ずるに足りると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任を負うものではなく、今後の見通し、予測等は将来を保証するものではありません。
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東京の不動産価格が低いといわれるのは・・・・・

1990年代の日本の不動産バブル崩壊後、日本の不動産価格は、低下傾向が続いています。2008年のリーマンショック時に、特に顕著な低下がありました。その後回復傾向にはありますが、それほど、大きい価格の上昇は見られません。
1997年のアジア通貨危機、香港返還により、香港とシンガポールの不動産市場の下落がみられます。その後の回復については、シンガポールのV字回復が注目されます。香港は2003年まで、市況の低下傾向が継続しましたが、SARS終息や中国本土から香港への個人旅行解禁などにより、その後、反転しています。リーマンショック(2008年)の影響は、香港、シンガポール、台北ともに、等しく受けており、同時期の不動産価格の下落は顕著です。しかし、その後の回復については、香港の回復力が飛びぬけています。シンガポールと台北では当初、香港と歩調を合わせて、市況が回復しましたが、2011年以後は、香港の市況の進展に追いついていけなくなっています。
総じて、1990年代以降の日本の不動産市場をみると、長期的に価格の低下、市況の衰退が継続しているといえます。一方で、アジア、とりわけ、香港が、着実に成長しています。本レポートは2021年第二四半期現在のものです。その後、報道されている、中国の不動産バブルの崩壊の影響がアジア各国にどのように波及するか、注目されるところです。